2012年5月3日木曜日

たかはる灰干し新たなステップ


灰干しをはじめようという若者があらわれた。連休があけたらほんかくてきなうごきになるようだ。

たかはる灰干しをじもとのお土産にあらたな特産物にと取り組んだ私たちの活動が、新しい実をつけようとしている。うれしいことだ。一年前の今頃は灰除去のボランティア活動の最終段階で、手が回っていなかったところや後回しになっていたところをきれいにしていたことを思い出した。



朝日新聞の記事より 2012.05.03

たかはる灰干し、厄介もの・火山灰活用 宮崎

写真:
昨年1月、霧島連山の新燃岳が約300年ぶりにマグマ噴火した。今は活動が沈静化しているが、その厄介も…









肉に驚きのうまみが

2012年05月03日
写真
半透膜のラップの上に具材が重ならないように並べる園田英輔さん=高原町
 昨年1月、霧島連山の新燃岳が約300年ぶりにマグマ噴火した。今は活動が沈静化しているが、その厄介ものの火山灰を活用して商品化した高原町の「熟成たかはる灰干し」が人気を呼んでいると聞いた。火山灰をどう使い、肝心の味はどうなっているんだろう。――現地を訪ねた。
 まずは手始めに、町役場に飛び込んだ。応対してくれたまちづくり推進課の谷山天一(ひろ・かず)さん(38)は、NPO法人「たかはるハートム」の代表理事で、「灰干し」の仕掛け人だ。
 きっかけは昨年3月、火山灰の除去作業中に大妻女子大学の干川剛史(ほし・かわ・つよ・し)教授が訪ねてきたことだった。教授は、火山灰で生ものの水分を吸収する灰干し調理を熱く語り、魚を使って試食会まで開いてくれた。「目からうろこのうまさ。町の特産品にしよう、と仲間で研究会を立ち上げた」
 具材は宮崎らしく鶏、豚に挑戦。町のイベントなどで披露する一方、誰もが作れるように調理時間などのマニュアルもつくった。
 メンバーの一人が連休明けに、灰干し商品の店を出すという。「準備を見に行ってみますか」と誘われ、店を訪れた。
 オーナーの園田英輔さん(27)に作ってもらう。
 初めに、角形の容器に火山灰を1センチほどの厚さに敷き、その上に綿布を敷いて、水分をとおす半透膜のラップを重ね、さらにその上に鶏肉が重ならないように並べた。この鶏肉の上に、今度は逆にラップ、綿布の順で重ね、火山灰を約2センチ載せた。容器を一晩冷蔵庫で寝かせると、「灰干し商品」の完成だ。
 火山灰の粒子は活性炭のように穴がたくさん開いていて、ここが水分を吸い取ってくれるらしい。ポイントは(1)具材を事前に塩水で浸す(2)上に載せる灰を下の倍にして重しにすること。それでも「塩水の濃度で微妙に味が変わる」とか。
 園田さんが、前日作った灰干しを焼いてくれた。食べ方は、煮る、蒸す、焼くといろいろあるが「焼きが一番うまい」と園田さん。
 初めに灰干しではない鶏肉と豚を焼いたもの、次に灰干しのもの。食べくらべてみて、「こんなに変わるのか」とびっくりする柔らかさとうまみを実感した。
 町内では、精肉店など4店舗がすでに販売を始めているという。「手間ひまがかかるので、家庭では作りづらい。だから、商売としてやっていけるのでは」と園田さんは期待をかけている。(寺師祥一)

0 件のコメント:

コメントを投稿