2011年9月4日日曜日

1日30人と話そう


1日30人と話そう
2011年09月04日

 昨日、何人と直接話をしただろう。まず家族、職場の同僚、訪ねてきた人とも喫茶店で会話した。店員さん、ごみ出しであいさつした近所の人も…。どうにか二けたはいくか。

 「30人会」という会が西諸地区にある。正式には「1日30人と話そう会」。会員は約30人いる。飲み物など持ち寄って月1回の定例会や文化活動を行っているという。名の通り、各人が1日30人に声をかけるのが目標。会話は脳を活性化させる大事なトレーニングだ。

 社会と接点を保ち、地域のコミュニケーションを築くことが生きがいにもなる。自殺予防週間(10~16日)を前に県立図書館で始まったパネル展で会の取り組みを知ったが、声をかける目的は自分のためだけではなく地域全体にあった。

 全国の自殺率の統計で例年上位にある本県だが、中でも西諸地区は高い。生きやすい地域とは何かを考え、「とりあえず多くの人に声をかける」シンプルな運動を民間で始めたそうだ。「1日150人と話そう」というスペインのことわざに倣い、30人を目標にした。

 「自殺を考えていたところに偶然声をかけられ、我(われ)に返って思いとどまった」という事例がいくつか寄せられ、会では効果を実感しつつある。同時に「声をかけていれば救えていたのでは」と悔やまれる身近な自殺に気づくようになった。

 見回して、全く会話の圏外にいる人がいないだろうか。話しかけにくい雰囲気を自ら作っているにしても、内心はふれ合いを求めているのかもしれない。おせっかいのそしり覚悟で踏み出してみよう。話さなかった後悔をするよりましだ。
宮崎日日新聞 くろしお 2011/9/4 掲載
私たちのとりくみが紹介されました。

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